男性因子による不妊症

不妊症は女性だけでなく男性の不妊症もあります。男性因子による不妊症が約不妊の25%、男女両方に不妊因子がある場合は23%程度、合わせて48%と言われています。

そして女性不妊因子のみによる不妊が45%程度で残りは不明と言われています。つまり男性因子の原因は半分近くあるということになります。

例えば精子量が少ない、精子の数が少ない、精子がまったくない、精子の働きが悪い、精子中に白血球が多いなど、精子のトラブルだけでも幾つもの因子があります。

特に男性不妊症の60%近くは原因不明の突発性造精機能障害とのこと。

原因の分かっている不妊因子の割合というと、突発性造精機能障害が約59.7%、精索静脈瘤が約30.1%、閉塞性無精子症が約4.6%、逆行性射精が約0.08%、染色体異常約2.4%、前立腺炎が約0.05%、耳下腺炎精巣炎が約0.01%という症例結果も出ています。

ここに挙げた閉塞症無精子症の中の内訳としては高度乏精子症が約20.9%、無精子症が約23.5%、軽度貧精子症が約10.6%、中等乏精子症が約5.6%、精子濃度正常が約39.4%という割合となっています。

これらのどれかに不妊因子がかかわっているかということを、まず検査しましょう。そしてこの中に原因があるようであれば、まず改善する治療をしていくようにします。

また男性不妊の多くは原因不明なので、この検査で原因がはっきりしなくても分からない原因が隠れていることもあります。だからこそ毎日の生活環境や運動、食事、ストレスなどを意識して注意することが大切になるのです。

不妊症の男性の特徴について

不妊症の原因の半分は男性にもあると言われています。そこで男性の不妊症の特徴をまとめてみましょう。

不妊男性の毎日の生活や外見からも、ある程度不妊症の特徴が見えると言われています。どのような生活や外見を持っている男性は要注意ということになるのでしょう。

まず生活習慣が乱れている男性ということになります。起きる時間・寝る時間などが不規則だったり、食事の乱れ、ストレス、不眠、アルコール過多、喫煙などがあります。

例えば仕事が忙しく残業が多い男性なども当てはまるかも知れません。また、それによってストレスが溜まってしまっている男性。そして食生活も乱れていることなどが挙げられます。

また運動不足や激しい運動伸しすぎ、睡眠不足などが目立つ男性も不妊症の特徴となります。他にもヘビースモーカーも特等です。

また極端に肥満型や、逆にやせ型も不妊症特徴体型と言われています。このような特徴が当てはまる男性は、まず毎日の生活を整えるようにしましょう。

睡眠をしっかりとり、栄養のバランスの良い食事を摂るように心掛けます。また運動不足の人は、適度な運動を週に1回でも行うようにし、逆に激しい運動を行っている人は少し運動を抑えることも考えるべきでしょう。

そしてストレスを解消するように、ゆっくりした時間をつくるように心がけたいものです。

これらのことは、そのまま続けていると成人病につながることであり、任活中にしっかり見直すことは不妊症改善だけでなく、自分の体を整えることにもつながるのではないでしょうか。

その上で妊娠を希望しても1年たっても妊娠しないときには、すぐに男性も検査をして、不妊原因がないのか検査することも大切です。

男性の場合でも、先天的な原因によって不妊にかかわることもありますが、後天的な物で改善できる不妊原因もたくさんあります。

毎日の生活を改善することで、不妊を改善することもできる場合も多いはず。男性はまず自分の生活を見直すことが大切ではないでしょうか。

男性不妊症の症状 

男性不妊症の症状は、一言ではなかなか言えるものではありませんが、原因によってそれぞれの症状があります。

女性の不妊は何となく想像がついても、男性不妊の原因や症状は意外とイメージがわきません。そこで、ここでは男性不妊症の原因とその症状をご紹介したいと思います。

男性の不妊症は、原因が分からないことがとても多いと言われていますが、原因として分かっている中で症例の多い症状名と症状をまとめてみましょう。

まず無精子症とは精液中に精子の存在が確認されない場合の症状名です。しかし無精子症でも多くの男性が治療をして不妊から抜け出しています。いろいろな要因があるので、その要因によってまだまだ諦めることはありません。

次に乏精子症というものも不妊原因の中では多い症状です。乏精子症は精子の数が、一般の男性と比べてとても少ない症状です。

乏精子症の中にも軽度、中等度、重症度があり、精液1㏄当たり6,000~8,000万以上の精子が存在しなければ乏精子症と診断されます。

そして100万以下となると、完全に重症度という診断になり妊娠は難しいことに。そのため治療をしていく必要がありますが、乏精子症の原因によっては、なかなか精子を増やすことが難しいとも言われています。

次に精子無力症と言って、文字のとおり精子の運動量がとても低下している場合を言います。つまり精子が前身して泳ぐ力がとても弱いというものです。

動いている精子は正常なら約100%ですが、精子無力所では50%未満が前進している場合と25%未満動いている場合などレベルがあります。

また精子が生きているか分からないという動きのない精子不動症という場合もあります。この場合、レベルによっては妊娠しにくいということになりますが、精子不動症となるとまったくその見込もなくなります。

男性不妊症の半分弱を占めるとも言われている精索静脈瘤ですが、いわゆる睾丸に血液が逆流してしまい、精巣の静脈血管にコブができて腫れてしまうという疾患です。

まずこの疾患の治療を受けることが先決となります。他にも精液が作られない無性液症や、精液中に精子が確認されない閉塞精無精子症先天性精管欠損脳性液症逆行射精などのトラブルによるものもあります。

男性の不妊症の検査方法について

不妊検査は女性だけでなく、男性も一緒に行いたいものです。男性の不妊原因も全体の48%に及びます。

もちろんその中の24%は女性と男性の両方に原因がある場合の割合ですが、男性の問題は半分近くあることも現実なのです。そこで、男性の不妊症の検査も是非行いましょう。

ではどのような検査をするということになります。そこで男性の不妊検査について方法などのご紹介をしましょう。まず医師の問診を受けます。

アンケート用紙に書き込むようなこともありますが、今の生活習慣に関する質問があるでしょう。また昔にかかった病気などについても聞かれるはずです。

次に視診というものが行われますが、これは医師が見た感じで体型や顔のむくみなどでホルモン異常が見られないかなどチェックします。その上で睾丸などを触診して傷みの感じ方や感触をチェックすることも。

次に超音波検査もあります。プローブを使って精巣の大きさ、腫瘍の有無、精子の詰まりなどがないかチェックしますが、痛みなどはありません。

そして血液検査がありますが、ここでは男性ホルモンの分泌に関するチェックとなります。

次に精液検査となります。精液の濃さ、精液の量、精液の運動量、精液の質などのチェックを行います。

また生殖器の異常などの異常も見つけることもできるとのこと。しかし精子を採取してから2時間程度しか検査はできないので、病院で検査をしてすぐに検査をすることになります。

また簡単な検査なら郵送で行うことのできる検査キットがあります。しかし精子検査の細かいことまではできないので、とりあえずという検査として考えるべきではないでしょうか。

精子を採取する場合は個室の検査室にて、ビデオなどを鑑賞しながら精液を採取することが一般的です。

しかし精子検査に対して、男性の中にはとても抵抗を持っている人も結構いるようですが、女性はもっと辛い検査もあると考えて、少し我慢をするようにしましょう。

またこの検査がクリアできないと不妊治療もなかなかできないということになってしまいます。

男性の不妊症の割合と原因について

男性の不妊症も今では重要だと言われています。不妊の原因は女性だけでなく男性の原因も結構多いことは、WHOの調査によっても分かることです。

女性だけの原因が41%に対して男性だけの原因は24%。そして両方に原因がある割合は24%もあるのです。つまり女性の不妊原因がある割合は100人中65人、男性が原因となっている割合は100人中48人ということになります。

つまり男性が不妊原因を抱えている割合は48%なのです。これは思ったより多いと感じた人も多いのではないでしょうか。

ではここで男性の不妊の原因について考えてみましょう。まず男性不妊で一番多いのが精子の異常です。

精子の数が2000万以下の精子減少症や、精子がまったく確認されない無精子症。また精子の受精能力がない精子死滅症や精子の数が、正常の2倍以上の精子過剰症などがあります。

精子の異常にはいろいろな要因がありますが、例えばクラインフェルター症候群なども。これは染色体異常によって正常な精子が作れないというものです。

他にも停留睾丸というものもあります。睾丸が陰嚢に降りてこない状態で、腹部などにとどまってしまうものです。

胎児のときに出産間際に睾丸は陰嚢に降りてくるのが普通ですが、途中で止まってしまっていると言われています。

また、おたふく風邪などの高熱によって、睾丸炎にかかることがあります。それによって精子機能にトラブルが起こるリスクも。

また飲酒や喫煙などによって精子が正常に作られず、精子の運動が少なかったり数が少なくなることもあります。この場合不妊の原因だけでなく、妊娠したとしても奇形などのトラブルを持った胎児ができることも。

次に多いのが精子の通路障害があります。精子の通り道と言える精管や尿道が、淋病菌や結核菌に冒されていると精子を出すことができません。

特にゼリー状の精液はより通りにくい状態になります。そのため精液はほとんど膀胱で薄まって排出してしまうことに。

そして次に多い原因が性交障害です。つまり勃起障害や早漏や遅漏によって、精子が子宮に届けることができないというものです。ストレスなどでEDになる場合もありますが、正規の奇形や発育不全などでも起こります。

男性の不妊症の原因となる病気と疾患

不妊の原因は女性だけではありません。男性の不妊の中にも、病気による不妊も考えられます。そこで男性の不妊症の原因として、どのような疾患が原因となるのか考えてみましょう。

まず女性に多いといわれている疾患が、甲状腺機能の病気による不妊です。男性にも甲状腺機能に関する病気が起こります。

橋本病やバセドウ病で症状はまったく違う部分もありますが、どちらも甲状腺機能ホルモンに異常があり、男性ホルモンにも大きく影響を与えてしまいます。それによる不妊症が起こる可能性も十分考えられます。

また男性も女性も今は性病が増えていると言われています。その中でも淋病など、もまた最近増えているようですが、しっかり抗生物質などで治療をすることが必要となります。

また他にもクラミジアがあります。痒みなどがある場合と、あまり症状が出ない場合もあるので、妊活前にチェックしておくことも大切です。これらも、もちろん不妊の原因となるでしょう。

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また不妊の中には性交障害があります。糖尿病の場合は糖尿病EDというものがあり、糖尿病になるとEDが症状として起こり、それによって性交障害を起こします。糖尿病を治療することが先決となるでしょう。

また他にもさまざまな疾患によって、性交障害が起こります。その疾患によっても違いますが、多くの疾患はエネルギーを落とし、性交意欲もなくなり性交障害が起こることも。

そのため男性のさまざまな病気が不妊の原因となります。健康に問題がある場合は、特に男性は性交障害にすぐ影響が出ると言えるようです。

精子検査を郵送で?

精子検査はやっぱり男性にとってはあまり気がすすまないものです。そこで精子検査を郵送で行ってみませんか。不妊の原因には40%が男性にもあると言われています。

つまり半分近くの男性に原因があると言われており、しっかりチェックすることも重要なのではないでしょうか。

また検査は保険が利けば数千円ですが、保険が利かなければ数万円。その上、病院は時間もかかるし、男性にとってもできればあまり気が進まない検査です。

そのため男性の検査は女性ほど一般的に広がっていません。そこでまず気軽に検査することができる郵送検査をご紹介したいと思います。

不妊を克服するために大切なことは、男女とも自分が不妊の原因を持っていないかを考えること。

そして、第1検査(スクリーニング)検査をして問題に気づき、対処をするために病院にかかるという行動を起こすことになります。この流れをきちんと守れば、順調に不妊治療はできるはずです。

郵送検査は、まず不妊治療の第一歩として男性も参加しやすいはずです。ポストがあれば全国どこからでもOK。結果は指定のメールに送られるので結果は自分だけでチェックできます

PCや携帯など、どのようなところでも確認できるように設定できます。精子を採取後大体2~3日で結果が出るので、イライラすることもありません。

検査費には送料負担の場合がほとんど。ただし、この辺は業者によっても違うのでチェックしてみましょう。価格は業者によって違いますが、約3,000円~1万円程度となります。

ただしこの便利な郵送検査にも問題があります。つまり精液は時間がたつとどんどん変化していくため、運動量が低下してしまいます。

もちろんそれも計算して正常範囲かどうかをチェックしていまが、実際に時間のたっていない状態の検査はできません

そのため郵送の検査に対しては賛否両論があることも事実です。そこでまず検査の一歩として行うことはおすすめですが、問題なしであっても本気で不妊治療をする場合には、病院で検査をすることが大切ではないでしょうか。

 

 

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